
今年は年明け早々に新型コロナウイルスが日本でも大流行したことで、初夏を迎えてからも、街ゆく人々の姿は、どこか内なる警戒心を感じさせるものとなっているが、例年ならばこの時期ぐらいから、街を闊歩する女性たちの姿は徐々に薄着となっていき、それを心待ちにしている男性たちを大いに喜ばせるのが通例である。しかし、日本各地の様々な生活様式をつぶさに観察してみると、薄着はおろか、ほぼ半裸の生活をしていた地域も、少なからず存在していたことがよくわかる。
「まあね、暑いといろいろ面倒でしょ? 男も女もね、服なんてちゃんと着たくないわけよ(苦笑)」
かつて西日本のとある盆地に広がる小都市で行われていたという、“クールビズ”を超えた涼しげな生活&ファッションスタイルについてそう語りはじめたのは、現在もなお、当地で小さな繊維工場を営んでいるという脇家群壮さん(仮名・84)。脇家さんの話によれば、その昔、当地で暮らす人々は、初夏を過ぎた頃から徐々に薄着となっていき、本格的な夏を迎える頃になると、男女問わず、ほぼ半裸の状態で暮らすのが当たり前のこととなっていたのだという。
「昔はエアコンなんかもなかったもんだからね、ホント、このあたりは夏になると行き倒れになりそうな暑さだったのよ。それだもんだから、男は褌一丁になっちまうし、女だって下はさすがに隠すけども、上は薄手の絣(かすり)みたいなのをふわっと羽織っただけになっちゃう。うん、そりゃあね、(胸が)見えるよ。丸出しだもん(苦笑)」
男性の褌姿はともかく、女性が乳房をほぼ丸出しの状態にしているというのは、当時に比べて露出度の高いファッションが珍しくないものとなった現代の我々でも、さすがに驚きを禁じ得ないところ。しかも女性たちが老いも若きもそんな姿を晒しているにもかかわらず、当地の男性たちは、特段、劣情をくすぐられることもなかったのだそうだ。
「まあ、昔はそれが当たり前だったからね。見慣れてるから、別になんとも思いやしないよ。今の人からすりゃ、信じられないことかもわからんけど、そういうもんだったのよ、我々の世代ぐらいまでは」
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