函館で毛虫が大量発生 温暖化に加え夏の暑さが影響か
10月04日 19時08分
函館市では「アメリカシロヒトリ」と呼ばれる「ガ」の毛虫が9月以降、
公園などで大量に発生していて、市は殺虫剤をまくなど駆除をすすめています。
函館市では先月以降、「アメリカシロヒトリ」と呼ばれる「ガ」の毛虫が大量に発生していて、
市によりますと「公園に毛虫がたくさんいるから駆除してほしい」とか
「家の壁に毛虫が這っている」という苦情や要請などが市民から相次いでいるということです。
先月1か月間で市に寄せられた苦情や駆除依頼などの件数は190件と例年に比べて大幅に増えているということです。
このうち市内の千代台公園では、滑り台などの遊具やベンチなど至るところに毛虫が見られ、
公園を通行する人は足早に通り過ぎていました。
函館市内に住む20代の女性は「毛虫がすごい多くて気持ち悪いです。
気をつけながら犬の散歩をしています。犬が間違って食べたら大変だと思います」と話していました。
こうした状況を受けて市は業者に依頼して公園などに殺虫剤をまいて毛虫の駆除をすすめていますが、
対応が追いついていないということです。
函館市土木部公園河川管理課の村田伸二課長は
「木が多い公園や道路に大量に発生しているようだ。
個人宅についてはご自身で対応していただきたいが、
市が管理する施設や道路などでそうした状況があれば順次対応していきたい」と話していました。
【専門家は】
函館市で「アメリカシロヒトリ」の毛虫が大量に発生していることについて、
専門家は地球温暖化に加えてことしの夏の暑さが影響していると指摘しています。
「ガ」の生態に詳しい北海道大学総合博物館の大原昌宏教授は「北海道では越冬できないと言われていたが、
2000年に初めて確認され、2014年には函館で急増し始めた。
最近は温暖化の影響で暑い年が多いので、毎年かなりの数が発生している」と分析しています。
その上で大原教授は、ことし函館で毛虫が大量発生していることについては、
「夏の気温が特に高い年には大量に発生しているようで、
ことしの夏もかなり気温が高かったので暑さが影響しているとみられる。
今後は札幌などで大発生する可能性もあるのではないか」と指摘しています。
一方、「アメリカシロヒトリ」の毒については、
「毛に毒はなく触れても問題はないとされているが、皮膚が弱い人は多少炎症などが起きるかもしれない」
としてむやみに触らないよう呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20211004/7000038882.html